タクシー運転手はいろんなお客さんと出会います。
ほとんどのお客さんは親切、もしくは普通ですが、中にはあり得ない理由でブチギレてくる人もいます。
僕はこれを勝手にエンカウント(RPGゲーム敵キャラクターと遭遇して戦闘画面に移るようなイメージ)と呼んでいます。
僕の不注意でお客さんを不快な思いをさせたり、注意をされたりすることはことはちょくちょくありますが、過去5年間でバッチバチのエンカウントを経験したのはホントに数えるくらいしかありません。
今回は、そのうちの一つのエピソードについて書いていきたいと思います。
もう何年くらい前かな?深夜、40代くらいのおじさんが精算時、クレジットカード決済がうまくいかなかったためにぶちギレられたときの話です。
現在のクレジットカード決済はお客さんが端末を操作して決済するのが主流ですが、当時は運転手がお客さんからカードを預かって、それを決済端末に通すという方法でした。
カードをシュっとスライドさせるアレです。
預かったカードが傷だらけのせいなのか、全く読み込まず、10回ほど通してもダメでした。
お客さんはそれをなぜか僕のせいだと思ったのか、いきなり大声で怒鳴ってきました。
「なんだよさっさとしろよ!!このカードはさっき買い物の時使えたんだよ!!その機械がおかしいんじゃないのか!?………おい?お前、今俺の事ダリィと思っただろ?…あ?…」
僕→((( ;゚Д゚)))(…このおじさん、まさか人の心を読めるのか?)
車内は10秒ほど沈黙…
そして、このあと衝撃の展開。
おじさんは巻き舌MAXで、
「オルルルラァァァァ!!!!」
と恫喝してきたのです。
しばしの沈黙の後にここまで本気のオッサンの「オルルルラァァァァ!」がツボにハマってしまい、なんとか吹き出しそうなのを誤魔化すため、とっさに
「だったらちょっとお客さんがやってみて下さいよ!!!」と声を上げました。
そしておじさんにカードを渡し、決済端末をおじさんに構えました。
おじさんはブツブツ言いながらカードを、ゆ~くり通す…読み込むか読み込まないかの絶妙な速さで…
決済機:……ピピ!
僕「あ!すごいほんとだ!読み込みましたよ!!」
おじさん「ほら~こういうのはコツがいるんだよ~だよ!お前簡単に諦めんじゃねぇよ!」
僕「そうですねぇ、ほんとすいませんでした」
このとき、重かった車内の空気がちょっとだけ軽くなったような気がしました。
僕「次から気を付けます、ありがとうございました」
おじさん「おう、レシートはいらね、じゃあな」
そういって、おじさんは車を降りていきました。
「………はぁぁぁぁ!?知らねーよ!何がこういうのはコツがいるんだよ~だよ!」
と、僕は車内で一人、大声で怒鳴ってしまいました。
大人げないです(--;)
まぁこんな感じです。
また機会がありましたらもう一つのエピソードも書いていきたいと思います。
以上です、ありがとうございました♪